なぜ誰に対しても敬語を使うのか
私は人と話すとき、相手が社会人であれば基本的に敬語を使うようにしています。今回は、そうするようになったふたつのきっかけについてお話しします。
営業職時代に出会った、ある同僚の言葉
ひとつ目は、営業の仕事をしていた頃のことです。ある日、得意先の機械メーカーから、当時の社長が引き抜いた営業の方が入社してきました。正直なところ、自分とはあまり相性の良い相手ではありませんでした。
ただ、その方が話していたことで、今も印象に残っている言葉があります。前職では人事異動が多く、昨日まで部下だった人が、ある日突然上司になることもあったそうです。それまで上司として接していたのに、その日を境に部下として話さなければならなくなり、とても話しにくかった。だからこそ、社内外・年上年下を問わず、常に敬語で話すようにしているとのことでした。
当時いた会社は人数も少なく、そのようなケースが起こることは考えにくかったのですが、その話は強く心に残りました。
介護の現場で感じた、恥ずかしい記憶
もうひとつは、介護職として高齢者施設で働いていたときの経験です。
普段は入居者さんに、くだけた話し方で接していながら、ご家族が面会にいらしたときだけ急に敬語を使う。その事を見苦しいと感じていました。
しかし1年目の頃は、施設全体にそうした空気があり、私自身も入居者さんと気安く接することが良いことだと本気で思っていたのです。今振り返ると、恥ずかしい記憶です。
経験が今の自分をつくっている
敬語は、相手との距離を作るものではなく、相手を大切にする気持ちの表れだと、今は思っています。