介護現場のDX、進んでいるようで進んでいない?現場で感じた温度差
一部導入、でも人員はそのまま
最近、介護施設のDXという言葉をよく耳にするようになりました。見守りセンサーやインカム、記録のタブレット入力など、実際に現場で目にする機会も増えています。
ただ、私が見聞きする範囲では、こうした機器が入ったからといって、職員の人数が減らせているケースはあまり多くない印象です。むしろ「機器の操作」や「記録の二重チェック」といった新しい業務が加わり、現場の負担がかえって増えているという声も聞きます。導入することと、それによって働き方が変わることの間には、まだ大きな距離があるように感じます。
少ない人員で回している施設もある
一方で調べていると、国内の一部施設や近隣諸国では、テクノロジーを本当の意味で使いこなし、少ない人員で運営している事例もあるようです。
そうした施設に共通しているのは、機器の導入そのものよりも、それに合わせて業務フローや職員の役割分担を根本から見直している点だと感じます。センサーが拾った情報をどう次のケアに繋げるか、誰がその判断を担うのか、といった運用の設計まで含めて取り組んでいるのだと思います。逆に言えば、機器だけを入れて、これまでの業務のやり方をそのまま続けていては、負担が増えるだけになってしまうのかもしれません。
道具と人、どちらも大切に
とはいえ、介護は人と人との関わりが土台にある仕事です。効率化がすべてではなく、どこまでを機械に任せ、どこからを人の手で丁寧に行うのか。そのバランスを現場ごとに探っていく過程こそが、これからの介護DXの本質なのかもしれません。
道具が現場を変えるのではなく、現場が道具をどう活かすかが問われているのだと思います。