「運転技能検査」厳格化へ ― 75歳以上のご家族がいる方に知ってほしいこと
何が変わるのか
警察庁は2026年9月、一定の違反歴がある75歳以上のドライバーに義務付けている「運転技能検査」の内容を厳しくする方針を示しました。新たに車庫入れを想定した「方向変換」という課題が加わり、接触や脱輪は20点減点、交差点での安全確認不足も新たに10点減点の対象になります。一時不停止の減点も20点から40点へと引き上げられる予定です。道路交通法施行規則の改正を経て、2027年中の施行が見込まれています。
見直しの背景にあるデータ
きっかけは2026年6月に公表された追跡調査です。検査に合格した高齢ドライバーのその後の事故は、違反歴がなく通常の講習を受けた方に比べて2.8倍にのぼることが分かりました。検査に合格しても、その後の運転が安全とは限らない――そんな現実が数字として示された形です。現場で高齢の方々と接する立場からも、この結果には納得する部分があります。
メリットとデメリット
厳格化のメリットは、重大事故につながりやすいペダル操作や交差点での不注意を、より実態に近い形でチェックできるようになることです。ご家族にとっても、運転継続を考える際の判断材料が増える安心感につながるかもしれません。
一方で、検査項目が増えることで不合格になる方も増え、生活の足を失う高齢者が増える懸念があります。特に公共交通機関が少ない地域では、免許返納がそのまま外出機会の減少や孤立につながりかねません。安全性の向上と、暮らしを支える仕組みづくりは、本来セットで考える必要があるように感じます。
安全と暮らしやすさ、その両方を考えるきっかけになればと思います。